引っ越しました。 (2007.09.09)

「かやのそと」も劇団内総ブログ化の流れに逆らえず、
愛着のあったこの日記をたたむことになり、
新しい住処に移転しました。

お手数ですが、お気に入りの変更をお願いします。

http://www.tobiraza.co.jp/blog2/

新しいブログでは、心を入れ替えて
かなりまめに更新していますので、
どうぞ、遊びに来てください。



近況 (2007.07.26)

サクラ大戦紐育のレビューショウが終わって、早いもので1週間が過ぎている。

今、俺が何をしているかと言えば、これ↓↓↓

オーディオシアター『名探偵浅見光彦シリーズ・天河伝説殺人事件』

作家の内田康夫さんの著作本の出版数が一億冊を突破したそうで、それを記念して行われる公演なのだ。

オーディオシアターという名称は初めて聞いたけど、たぶんリーディング公演の、小洒落た呼び名なんだと思う。


一昨日、顔合わせが行われた。
リーディングとは思えない、とても豪華な出演陣。

主演は映画でもテレビシリーズでも浅見光彦を演じてきた、榎木孝明さん。

周りを固めるのは、山口いづみさん、神山繁さん、声優界の大御所・郷里大輔さん、小劇場界からは朝倉伸二さんなど、多彩な顔ぶれ。

普段お会いする機会のない役者さんと、さらにオーディオシアターという経験のないお仕事。
例によって気の弱い私は、重圧を感じて、少し元気を失っています。

でも、茅野でよかったと、関係諸氏、そしてお客様に言ってもらえるよう、今回も全力を尽くす所存。



舞台稽古 (2007.07.13)

本日は『サクラ大戦・紐育』の仕込みと場当たり稽古。
劇場に乗り込んだその日に、道具や明かりの仕込みだけでなく、舞台稽古までやるという慌しい一日だった。
スタッフさん、本当にご苦労様。

この『サクラ大戦・紐育』はお芝居ともミュージカルとも違う、レビューショウのスタイルをとっている。
ひと言にレビューといってもいろんな解釈の仕方があるけど、この公演で僕らが目指しているのは、音楽や踊りや軽演劇などを雑多に並べ、気軽に観られる、それでいてちょっと贅沢な気持ちになってもらえるショウである。

これは俺にとって普段と違う、なんだか妙に楽しいお仕事なのである。

いつもの芝居のときはイライラカリカリしがちなのだが、今回はかなりリラックスしながら作っている。
だからと言って、いつもより手を抜いているわけではないのだぞ。

先ほども書いたように、お芝居よりも音楽やダンスが前に出てくるショウなので、音楽家や振付家にお任せする部分が大きいのだ。
俺の仕事は、澱みのない、気持ちの良い流れを作ることで、そのためのスタッフワークが一番大事。

このスタッフワークの取りまとめというのが、とても楽しい作業なのだ。
舞台美術やそれに伴うセットチェンジを相談したり、衣裳の細部をデザイナーと話し合ったり、BGMを作曲家に発注したり、危険な舞台機構をいかに安全に効果的かつ貪欲に使いこなすかについて、演出部と知恵を出し合ったり、などなど、人との共同作業が本当に楽しい。

そんなわけで、いい環境で面白い仕事をさせてもらっています。


そうそう、話は変わるけど、昨日、『ザ・ヒットパレード』というミュージカルを観てきた。
とてもご機嫌な舞台だった。
これについては書きたいことがたくさんあるので、舞台が落ち着いたら必ず書こうと思っている。

明日は引き続き舞台稽古。その後、公開ゲネプロ。
明日も慌しい。
安全第一で頑張ろう!おう!




            今回のショウはかなり色っぽい。



サクラ大戦紐育 (2007.07.04)

いつの間にか7月になっていた。

今回の公演には、我が軍から岩本と安達が参加している。
驚いたことに二人とも、ダンサーとして呼ばれているらしい。

男のダンサーは彼らを含めてたった3人。
だから奴らは、プロの女性ダンサーに混ざってやたらと踊っている。
見ていて不安だ。

特に岩本のダンスはかなり奇妙だ。

カウントもステップも、たしかに振付られた通りなのだが、なんだか踊っているように見えない。

奇妙な動きだ。

共演者からいつも笑われている。
奴の動きは、個性が強すぎる。
はっきり言ってアンサンブルには向いていない。
役者としては決して悪いことではないのだが…。

本番までには何とかなってくれるのだろうか。
不安だ。




      写真は休憩時間にダンサーといちゃついている岩本君。



のんびりと。 (2007.06.21)

久々に稽古のない日々を過ごしている。

映画を見たり、芝居見物したり、友人と食事をしたり。
たまにはこういう生活もないとね。


一昨日は、コクーン歌舞伎『三人吉三』へ。
例のスパ爆発で、東急文化村の周辺は大変な騒ぎになっていた。

素晴らしい芝居だった。
まだ、余韻が冷めない。
すごいよ、勘三郎さん。
スタッフさんたちも、すごい。
あまりにも感動したので、上手く語れない。



昨日は、東京ドームで巨人対ロッテの試合を観戦。
貴賓席に隣接する、なんだかものすごく豪華なVIPルームにご招待いただいた。
とても贅沢な一夜だった。
巨人も勝ったし、幸せ。幸せ。



来週からいよいよ、サクラ大戦。



閉幕。 (2007.06.12)

D-BOYSステージ『完売御礼』が、幕を閉じて2日経ったというのに、未だに稽古をしている夢を見る。

正直、大変な公演だった。

いろんな舞台を作ってきたけど、出演者の全てが舞台経験のほとんどない若者達というのは初めてだった。

大抵どんな芝居でも、新人に混ざって頼れるベテランや、サポートしてくれる扉座の役者がいてくれるものなのだが、
今回は、D-BOYSだけのステージということで、一切そういう役者がいなかった。

でも、チケットはたった15分で売れ切れてしまうほど、お客さんの反響は凄まじいし、彼らに対する事務所やプロデューサーの方々の期待は大きいし、この俺にとってはいつも以上にプレッシャーのかかる公演なのであった。

稽古は相当厳しかったと思う。
途中、何人かの役者はこのまま消えてしまうのではないかと思われるほど、憔悴しきっていた。
実際、俳優を廃業してこの場から逃げ出したいと思っていた奴もいたらしい。

辛かったと思うよ。
ほとんどみんな10代の少年だもの。
でも、この公演でアイドルから一気に本物の役者に変身してほしかった。


若い役者が成長していく姿は、見ていて本当に楽しいし、嬉しい。
終わってみれば、あの苦労はなんだったんだろう?と思えるくらい、みんな、役者の顔になっていた。

次はお互い、もっとハードルが高くなるだろう。
また彼らと出会える日が楽しみだ。



『完売御礼』 (2007.06.04)


昨日「D-BOYS」ステージの幕が無事に開いた。

良い初日であった。

そういえば、今まで悪い初日というのを経験したことがない。
あまり良くない2日目とか、期待ほどではなかった千秋楽というのはあるけれど、不思議と初日は良い舞台になる。


毎回そうなのだが、お客さんの呼吸や反応を感じて、初めて分かることがある。
僕らはそれを「客席が教えてくれる」と言っている。

出演者達は、かなり緊張していたけれど、観客の呼吸に導かれながら、気持ちの良い芝居を見せてくれた。

千秋楽まで停滞することなく伸び続けて欲しい。



それにしても、さすがにぐったりだ。
今回もやるべきことが多くて、全く稽古休みが取れなかった。
今年に入って早くも4本目の舞台。
考えてみたら、去年の『豊橋オーレ』から、隙間なく舞台が続いている。
来月も、再来月も舞台が待っている。
ああ、なんて幸せなんだろう。


D-BOYS (2007.05.27)

今は「D-BOYS」という渡辺エンターテイメントの若手イケメン俳優集団の舞台を作っている。
一応グループ名を名乗っているが、メンバーが揃って舞台をやるのは初めてらしい。

芝居のタイトルは『完売御礼』。

題名の由来は、チケットが一般発売を前に完売してしまったから。
どうやらファンクラブの先行予約を受け付けた瞬間に売切れてしまったらしい。

たぶん関係者もこんなに売れるとは思っていなかったんだと思う。
分かっていたら、ステージ数をもっと増やしていただろうに。

ま、なんにしても、普段観客動員に苦労している俺らにとっては、なんだかちょっと面白くない話。


だからというわけではないのだが、毎日、この若い役者達を厳しくしごいている。
最近はどうやらハードな(いろいろな意味で)演出家ということが浸透しているようで、本人達も覚悟をしていたようだ。
かなり理不尽な要求にも涙を見せずに喰らいついてきている。


写真は理不尽な稽古、その1。

みんなで大道具作りの苦労を知ろう会。



感謝 (2007.05.16)

竜司の見舞いに行ってきた。
元気だった。
手術跡の写真を自慢げに見せられた。



大変遅くなりましたが、ミュージカル『エア・ギア』にご来場いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

千秋楽はあのような舞台にもかかわらず、最後まで客席から熱い声援を贈ってくださって、本当に、ほんとうにありがとうございました。
みなさんのお蔭で、二度と作るこの出来ない凄い舞台になりました。
カーテンコールでの、鳴り止まない拍手とスタンディングオベーションは一生忘れません。

また劇場でお会いできるよう、スタッフ、キャスト一同、頑張ってまいります。
これからも応援よろしくお願いします。



上山竜司 (2007.05.13)


上山竜司からメールが来た。

手術の成功は関係者から聞いていたのだが、まだ面会が許されていないので、術後の様子が分からずにヤキモキしていた。

あれだけの大手術だったのだ。
本当はかなり痛みもあるだろうし、何より精神的にもダメージを負っているだろうに、あいつはこの俺のことを気遣ってくれたのだろう。送られてきたメールは、とても明るく前向きな言葉で溢れていた。


千秋楽前日の舞台、彼は演技中に腕の骨を折る大怪我をした。
前回の日記に載せた写真、まさしくあのワザを決めた直後に着地に失敗、転倒したのだ。
それ以降、彼の左腕はだらりと垂れ下がったままだった。

彼の怪我がただ事でないことはすぐに分かった。
けれど、幕を下ろすつもりは微塵もなかった。
もちろん竜司本人も当たり前のように片腕だけで演技を続けた。


終演後、直ちに駆け込んだ病院での診断は俺たちの想像以上に悪い結果だった。
すぐに入院手術が必要な状態だった。

当然、翌日の千秋楽は中止にせざるを得ないと思った。

だけど、何が何でもやると、あいつは言い張った。
俺も本番中に骨折してしまった経験があるから、あいつの気持ちはよく分かる。
でも、ここで無理をさせるわけにはいかない。
千秋楽を楽しみにされていたお客様には申し訳ないが、公演中止にするしかないだろうと、思っていた。


けれど、当日、あいつは舞台に立った。
あいつの執念に根負けしたのだろうか?
詳しいことは分からないが、担当医から一時外出の許可が出た。
そして極力動かずに、立ったまま、座ったままなら、舞台に出演してもよいという許可ももらった。

急遽、そのために演出を変えることになった。
早くから出演者が劇場に集合して、全ての場面を作り変えた。
あの時のみんなの集中力は凄かった。
本当に俺たちは良いカンパニーになった。


ごめんなさい。続きは後日。


エアー (2007.05.05)


この写真を見てほしい。
本番前のスケーティング練習風景である。

右端で鞠のように飛び上がっている男はプロスケーターではない。
出演者の上山竜司だ。
彼だけでなく、『エア・ギア』の出演者はみんな、この半年間、スケーティング技術を高めるために厳しい訓練を積んできた。

俺たちの本気が伝わってくる写真でしょ。


この企画を立ち上げたときには、まさかこんなことまで出来るようになるとは、正直思っていなかった。

奴らの頑張りを褒めてやりたい。


ミュージカル『エア・ギア』初日 (2007.05.04)


幕開きの大歓声に思わず涙ぐんでしまった。


主役の鎌苅健太が病に倒れた時には目の前が真っ暗になった。
イッキは彼しかあり得ない。
僕らもそう思っていたし、間違いなくお客さんもそう思っていただろう。

でも、絶対に公演中止にはしたくなかった。
役者もスタッフも、全ての関係者が、この危機を乗り越えようと一丸になった。

前回、敵役のボスを演じた上山竜司が代役することになった。
竜司の役は同じチームの米原幸佑が演じ、彼の役に新しいメンバーを入れた。

公演直前での、これだけの配役転換は、言うまでもなく、とても大変なことだった。
ダンスも歌も、スケーティングも、もちろん演技も、全て一から作り直していく。
途方もない作業だった。
でも不思議と辛くはなかった。
役者がみんな、前を向いていたから。

結果、何とか間に合わせました、なんてレベルじゃなく、本当に新しい『エア・ギア』が生まれたと胸を張っていえる芝居になった。

ただ、この新しい『エア・ギア』、鎌苅のいない『エア・ギア』が観に来てくれたお客さんに受け入れられるのか、それが心配だった。

だから、チーム子烏丸が登場したときの、暖かくて情熱的な大歓声を聞いたときには身体が震えた。


もっと書きたいことが沢山あるんだけど、もう劇場に行かねばならない。

毎日朝9時に劇場入りなんだぜ。
偉いよみんな。


ドリル魂 (2007.04.26)

演出をするようになってから、今までに何本も横内作品を客席で観てきたが、正直言ってこんなに刺激を受けたのは初めてだ。
やられた!
と思った。

そして負けるもんかと闘志が湧いた。
そんな芝居だった。

もっと色々書きたいけど、今、自分の公演でとても大きな試練に立ち向かっているので、今日はここまで。

負けるもんか!



お花見雨天中止 (2007.04.04)

3バカと呼んでいる。
入団2年目、研究所時代から数えて4年目になる、安達、上土井、新原の同期生トリオのことだ。

個になるとさほど面白くないのだが、3人まとまるとなんとなく眼をひく。妙な味がある。
だからついつい、ひとまとめで使ってしまう。
『サクラ大戦』でも、先日の『儚』でも起用した。
若手役者の中では、オレに使われる率の高い奴らなのだ。
本人達は十把一絡げで扱われることに忸怩たる思いを抱いているようだが、間違いなく3人でいることで得をしている奴らなのだ。

そんな奴らが舞台の上より輝くときがやってきた。
恒例のお花見の余興大会だ。
去年の3バカの宴会芸は素晴らしかった。
あのバカ芸のお蔭で奴らの株がどれほど上がったことか。

今年も奴らは期待を裏切らなかった。
あいにくの天気で桜の下で見られなかったのは残念だったが、しっかり扉座の伝統を受け継いでいた。
近頃酒で脳みそが溶け始めている犬飼淳治くんなどは、感動のあまり滂沱の涙を流しながら笑い転げていた。

宴会の終わった稽古場の隅で、奴らに触発されたのか、山中と犬飼が、来年は俺たちのコンビ芸を復活させようぜと誓い合っていた。



自宅待機 (2007.04.02)

ひとつの芝居が終わるとすぐに次の芝居に取りかかる。
こんな事がもうどのくらい続いているだろう。

最近では、稽古をしながら常に幾つかの作品の準備を平行してやっている。

演出を始めた頃は横内さんの作品のリメイクばかりだったので、作品が先にあった。
だから演出するときにはあらかじめ上演台本が目の前にあるものだと思っていた。
ところが最近はそんなことはほとんどなくて、オレにお声がかかるときは作家すら決まっていないことが多い。

その公演やプロジェクトの企画の段階で呼ばれることが多いのだ。
だから、プロデューサーと共に公演の構想を練ったり、作家を選定したり、オーディションや諸々の準備に立ち会うことが多々ある。

それはそれで楽しい作業なのだが、正直まだ俺の実力が、そんな大それたお仕事に追いついていないのが現状。
もちろん、生まれついてのハッタリ男ですから、分かったような顔をしてその場をやり過ごすのは得意です。
でも家に帰ってから、プレッシャーに押しつぶされそうになる。

特に辛いのが人の作業を待つことだ。
自分では手が出せない仕事だから待つしかないことが多い。そのどうにもならない時間が辛い。
キャスティングの決定や、作詞や曲の仕上がりや、切実なところで予算の決定。

中でも一番ヤキモキするのは、台本の上がりを待つまでの間。
断言しおくけど、芝居はまずはホンです。戯曲!
これがどうにもならないと芝居はたぶんどうにもならない。
そしてどうにもならなかった時の辛さはこの短いキャリアの中でも何度か経験しているオレなのだ。
幸い今までは、書き直してもらったり、作家さんに変わってもらったり(!)して本番までにはなんとか事なきを得ている。
まあ、その闘いも相当辛いものなのだが…。

台本が上がってくるまでは本当にドキドキの時間なのだ。
そして今現在、その台本(少〜し先の公演ですよ)が送られてくるのを今か今かと自宅で待っているのだ。
楽しみ半分、心配半分。
だけど言うまでもなく、今、机に向かっている作家はオレとは比べものにならないくらい苦しんでいるはずだ。

いつも思うけど、オレの仕事はとりあえず調理する素材がなければ何も出来ない、いわば第二次産業。
何もないところから言葉や物語を紡ぎだす作家さんは本当に凄い。
無から有を生み出す。なんて素敵なお仕事だろう。
そういう意味では作曲家も凄い。
自分とは異質の才能だ。
第一次産業の人たちのお蔭でオレがいる。


だから、彼らが魂を削って産み出した言葉や音を、それ以上の覚悟を持って取り扱わなければならないといつも肝に銘じているつもり。

それにしても台本が届くのが遅い。
ヤキモキ。
明日の打ち合わせまでに演出プランを立てねばならないのだが…。



明後日からは『エア・ギア』の稽古。
こちらはもう台本がしっかりあるので気分は楽々。
稽古場も希望通り、体育館を押さえてもらった。
本番通りのセットを組んで、ステージングに磨きをかける。
小屋は日本青年館。
デカイところは大好きだ。


それから扉座にとって明日は大事な日。
第11期扉座研究生の入学式だ。
何とか打ち合わせを早く切り上げて駆けつけるつもり。
桜が咲き残っていて良かった。



劇団というものを考えた。 (2007.04.01)

ラッパ屋公演『妻の家族』を観た@紀伊國屋ホール

よかった。
鈴木聡さんは本当に上手な作家さんだ。
毎回必ず楽しませてくれる。
こういうのをウェルメイドというのだろうな。

終演後は飲み会に参加させてもらった。
そこで役者さんたちと色々話して、劇団というものを考えた。

ラッパ屋は83年創立で、82年創立の扉座とは同世代の劇団だ。
男の役者はほとんどがオレと同い年で、普段から何かと付き合いがある。

うちとラッパ屋の大きな違いは劇団員の構成だ。
うちが毎年新人を入れているのに対して、ラッパ屋はここ十数年ほとんどメンバーが変わっていない。
毎回たった13名の固定メンバーで舞台を作っている。
マキノさんとこの「MOP」もそうだ。
むやみやたらに新人を入れたりしない。
劇場に足を運べば、いつものメンバーが出迎えてくれて、息の合った芝居を見せてくれる。

対してキャラメルボックスなどは、うちと同じように、精力的に新人を登用しているように思う。

どちらがいいのかは単純に比較できないし、あまり比較する意味もないと思う。

ただ、昨日飲み屋で話していて彼らのほうが、俺たちよりずっと劇団色が濃いなと思ったことがあった。

彼らはいまだに全員で仕込み(舞台のセットを組んだりすること)をしているのだという。
衣裳の洗濯や、小道具の片付けなども自分たちでやっているのだそうだ。
自分でやるしかないのだ。うちと違って若い奴が一人もいないのだから。

彼らはみんな四十を超えていて、あちらこちらで活躍している役者さんたちなんだよ。
でも自分の劇団のことだから当たり前のようにやっている。

彼らと話していて、やっぱり劇団っていいなと思ったよ。
彼らもきっとそうだと思うけど、外で仕事をすればするほど、劇団の良さが分かってくる。
自分の家を持っていることの心強さが分かってくる。


今回『ドリ魂』に取り組む座長を見ていて、まさしく劇団力の再興を目指しているのではないかと思っている。
朝から晩まで稽古漬けになって、みんなで小道具を作り、宣伝活動まで行う。
うちは年齢も技術もバラバラな劇団だ。
だけど、俺たちにしか出来ないことがきっとある。
まだまだ俺たちはやれるはず。



ラッパ屋の飲み会で旧友と再会した。
演出家の山田和也くんだ。
彼とは高校生のときからの友達で昔は良く遊んだんだけど、彼はどんどん立派な演出家になってしまい、役者時代のオレには少し遠い存在になっていたんだ。

久しぶりに会った彼は何も変わっていなかった。
懐かしくてみんなが帰った後もしばし語り合った。
旧友としてもそうなんだけど、なにより同業者として彼と話すのは楽しかった。
あんなに売れていて、名作を数多く生み出している彼も、演出家としてオレと同じようなことに悩んだり、苦労しているんだと知って少しほっとした。


沢山の演劇人から力をもらった夜だった。



いとしの儚 (2007.03.31)

何故だかわからないけど、これほど苦しまずに作ることが出来た作品は初めてだ。

演出をすることになったときから、かなり具体的なイメージが頭の中にあった。

それは一度扉座でやっている作品というのもあるだろう。
でもいつもと違い珍しく横内さんの舞台を意識せずに、演出イメージを作り上げることが出来た。

真っ先にあったのは空間のイメージだ。
プロセニアムアーチのある劇場はいやだった。
舞台と客席の境界のない空間が欲しかった。
だから、新国立劇場小劇場でやりたかった。
あそこでなければやりませんと、プロデューサーに宣言していたくらいだ。

お客さんと同じ空間に賽の河原を出現させたかった。
そして極力大きな舞台転換をしないで、賽の河原で綴られる物語にしたかった。
細かく分けて28景もあるこの芝居で、それは容易なことではなかったけど、金井勇一郎の美術の力もあって、狙い通りの絵作りが出来たと思っている。

配役のイメージも早くから固まっていた。
だからキャスティングにも苦労しなかった。
井之上隆志さんや小林美江さんなんて、個人的には面識もなかったけど、この芝居に絶対に必要な役者さんだったので、出演が決まったときには小躍りした。
そのほかにも博打場の男たち、女郎達、和尚と三木松のカップル、賽子姫や人ならぬモノども。
隅々までいい配役だった。

ヘアメイクや衣裳のビジュアルもかなり早い時期に、それぞれのデザイナーとイメージの摺り合わせをした。
どちらも若いデザイナーなのだが、こちらの想像を超える提案をしてくる。
時にそれは過激すぎたりする事もあるのだが、彼らと意見をぶつけ合いながらの作業はとても楽しかった。

今回いろいろなことがスムーズに気持ちよく進んだのはスタッフの力がとても大きい。
みんな単純にオレの言うことを聞いたりしない。
何か必ずひねってきたり、違うアプローチを見せてきたり、より精密な物にしたりしてくれる。

最後の『儚』の花びらだって、オレは芝居で花びらといったらさくら色しかないと思っていたんだ。
あれに色々な花を混ぜたのはスタッフのアイデアだ。

これがいろんなジャンルの人間が、よってたかって作り上げる芝居の面白さだなあと、つくづく嬉しくなる。
才能と愛情は人を幸福にする。


それにしても横山智佐だ。

今だから正直に言おう。

僕は女優としての彼女の力を認めている。
初演出作『そらにさからふもの』で彼女をヒロインに起用した
くらいだ。
でも、『儚』を彼女が見事に演じきるイメージはもてなかった。

彼女の『儚』への強い思いを知れば知るほど、それが空回りして失敗するのではないかと心配だった。
今まで声優として(舞台でも)キャラクターをまとってきた彼女がこれほどの役を、一から作り上げることが出来るのか。

7年間も夢に見てきた舞台を何とか成功させたかった。
だから、彼女のことだけはオレにとって大きなプレッシャーだった。

でも、オレは彼女のことを見誤っていたよ。
オレのそんな心配を軽々と飛び越えるくらい、彼女はこの役に取り組んでいたし、理解していたし、何より役者としての力をつけていた。

思いは叶うというが、ただ思うだけでなく、具体的な努力を積み重ねてきた彼女に熱烈な拍手を贈りたい。



いい戯曲にいい役者、有能なスタッフ。
本当にオレは恵まれている。


それから身内なのであまり語りたくないが、崇史は大人の役者になったよ。



本当にご無沙汰でした。すんません。 (2007.03.12)

相変わらず腰が痛い。
もうこれは職業病だな。

演出をしていると休憩をとるのが面倒くさくなる。
一度休むとなんだかダレてしまって、気持ちを持ち上げるのが大変だから。
3年前にタバコをやめてから、一服休憩すら必要なくなった。

さすがにそれでは役者さんも可哀想だから、たまに5分とか10分とか、小休止を入れるのだが、その時間さえも持て余してしまう。

食事休憩すら与えてもらえない役者さんはさぞ大変だろうけど、俺に合わせてもらうしか仕方ない。


そんな感じでガシガシ稽古は進んでいるので、もういつ初日を開けてもいいぜ!ってな具合に仕上がっている。
ちょっとそれは言いすぎか。

でも、本当にかなりカタチは出来上がった。
まだ10日以上あるので、これをもう一度壊して再構築するくらいの余裕はありそう。

これにはもちろん俺の稽古好き、そしてそれに文句も言わず付き合ってくれている芸達者な出演者のお蔭もあるけど、一番の要因は戯曲の良さだと思う。

ここのところ外部で新作の演出が続いたけれど、初めから台本があるというのはやはり準備する上でとても助かる。

その上に、なによりも『いとしの儚』は本当に名作だよ。
演出をして改めてそう思う。
俺が放っておいても、役者がこの作品に導かれていい芝居を見せてくれている。

毎日稽古場が楽しい。



        

          鬼婆。



今年のラブラブ (2007.02.10)

昨日は『ラブ×3』の初日。
演出補に名前を連ねているけれど、実際にはこの3年、ほとんど稽古に参加していない。

昨日初めて今年の『ラブ×3』の全貌を観た。
ほとんど関わっていないとはいえ、やはり俺は身内。
応援する気持ちが強くて、普通のお客さんにはなれない。
もう一度観たら客観的な感想も生まれるだろうが、今はただ、千秋楽まで怪我のないように、そして少しでも成長するように祈るのみ。

終演後は、座長、有馬、田中、犬飼、りさ、利典、それからスタッフのみんなと初日祝いの飲み会。
久々に仲間とグラスを傾けるひと刻は楽しかったけど、やっぱりこの芝居を直接作り上げた奴らは、そうでない俺より満ち足りた気持ちで酒を飲んでいるように見えて、ちょっと悔しかった。



今日のマチネを観てくれた、声優の田中真弓さんからとても嬉しいメールをもらった。
生まれ変わったら迷わず扉座の養成所に行きます、という内容だった。
俺が褒められたみたいでほんとに嬉しかった。



ユーカリプタスシトロドラ (2007.02.04)

昼飯を食おうとチャリを走らせていたら、六本木ヒルズのけやき坂にすごい人だかりができていた。
何かと人混みをかき分けてみたら、大木を括りつけた山車を沢山の白い法被を着た人たちが引っ張っている。

伊勢神宮の「お木曳」という行事らしい。

ネットで調べてみたら、、神宮式年遷宮といって、20年に一度正殿などを新造するんだけど、そのための材木を奉納する儀式らしい。
1300年以上も前から続いているというから驚きだ。

その「お木曳」が何故に六本木ヒルズで行われていたのかは、よく分からない。



花粉、やはり飛び散っているらしいね。
鼻だけでなく目もむず痒くなってきた。

たぶん気休めにしかならないだろけど、ユーカリのハーブオイルと、ミント系のハーブティーを買った。
効き目があるといいな。



ラブ天 (2007.02.03)


昨日『ラブ×3』の稽古を覗いて来た。


相変わらず真冬の稽古場は寒かった。
しかし、田中信也は

「今年は暖冬だから、いつもと比べたら全然平気ですよ。がっはっは」

と笑っていた。

とは言っても昨夜はかなり冷え込んでいたぞ。

だけど周りを見渡しても、ぶるぶる震えていたのはオレ一人だった。
都会っ子がひとり、山間の村に紛れ込んだみたいだった。
ちょっぴり劣等感。



稽古場では演出の田中を中心に、有馬自由、鈴木理沙、鈴木利典が付きっきりで稽古をつけていた。
感心したのは、ダメ出しをするのは田中だけで、有馬や両鈴木たちはほとんど口を挟まない。
たまに有馬が補足するくらいだった。

本当は言いたいことが沢山あると思うのだが、いろんな人間がいろんな事を言い出すと役者が混乱する。
有馬たちもそれをちゃんと分かっているんだな。
それと、周りに口を挟ませないくらい田中がしっかりとしてきたということだ。

それにしても、何時間もあの子達の芝居を、ただただ観続けていられる有馬と両鈴木はすごい。


外の廊下では今年も先輩達が研究生のために大道具をたたいていた。
稽古場に足を踏み入れることも無く、一日中、黙々と鋸を引き、釘を打つ。

毎年この風景を見るたびにうちの劇団は凄いな、と嬉しくなる。

今こうして道具を作っている若手劇団員は、自分が研究生のときに同じように先輩劇団員に助けてもらっている。
だから、今度は後輩のために働く。

この伝統が続く限り、僕らは劇団をやり続けていいんじゃないか。
これが途絶えたときに、僕らのありようは変わってしまうんだろう。


(2007.02.02)

花粉が飛んでないか?

今朝起きたら、鼻の奥の方でヒスタミン隊が戦闘態勢に入ったような気がする。

暖冬だからかな。
いつもよりかなり早いぞ。



ところでオレ…

45になった。昨日、2月1日。
45になった。オレ45。
ビックリだよオレ。


昨日、珍しくお袋から電話がかかってきた。
お祝いの電話かと思いきや、開口一番

「キミは一生、結婚しないの?」

と、心配そうに聞いてきた。

小さい頃から放任主義を貫いて、自由気儘に育ててくれたオレの母親。
今までこんなこと一度も言ってきたことないのに、息子の45回目の誕生日に、さすがに不安になったのだろうな。
長男なのにな……オレ。

オレも不安だよ。

ま、結婚云々はさておいて、
この歳になっても全然中身が変わらない。
ちゃんとした大人になっていない。
まだまだ遊び足りない。
真っ当な社会生活を営める気がしない。



そんな自分が俺は好き。

このまま死ぬまで今のスタイルを貫くことが出来るのか。
それだけがちょびっと不安。

今年も、益々オトナゲのないおっさんになる所存。
許せ母親。



スイム (2007.01.31)

久しぶりに泳いだ。

腰にはまだ鈍い痛みが残っているけど、少し運動したほうが良くなるんじゃないかと思って。

久しぶりのプールは気持ちよかったけど、
鏡に映る己が裸体を見て軽くめまいがした。

オレの腹筋はどこにいったんじゃあぁあぁあ!

さらに体重計に乗って大ショック。
そりゃこれだけ動かなければ太るよなあ。
分かっちゃいたけど、やっぱり太っていたんだね。


オレさあ、去年の春ごろから一念発起して肉体改造に取り組んできたんだよ。
大好きなラーメンも絶って、ジムのトレーナーに
「やり過ぎです。休むこともトレーニングのうちです。」と、止められるくらい
がむしゃらに鍛えてきたんだよ。
その甲斐あって、若い頃の体脂肪率に近づいていたんだよ。

でもこの2ヶ月間忙しすぎて、ぱったりと動かなくなってしまったんだ…。
食事にも気を使わなくなったしなぁ。
そしたら見事に1年前の身体に戻ってしまったのな。

減らすのはあんなに大変なのに、増やすのは簡単だなあ…。


もう一度あのモチベーションを取り戻せるのだろうか、オレ……。



動かざること山の如し (2007.01.30)

一昨日、初めて大河ドラマ『風林火山』を見た。
ビデオを録る習性がないので(録り方がわからない)オンタイムでしかテレビが見られない。
だからいつも知人の出演作を見逃してしまう。
見たい見たいと思いながらやっと見られた。

有馬自由がすっげえいい役だった。
ビックリと同時にちょっと嬉しかった。

天下の大河で大役を立派にこなしている。
誇らしい。

昨日、書店に行って、ドラマ『風林火山』の特集雑誌などを立ち読みした。
驚いたことに、有馬だけでなく、岡森や高橋一生までが主要キャストに名を連ねていた。
もちろん出演することは知っていたけど、三人が三人ともこんな大役で出ているとは知らなかった。

ありがとう大森寿美男くん。

まだ1話しか観ていないが、かなり面白かった。
今やっているところは原作にないところなので、たぶん大森君のオリジナルなのだろう。
山本勘助をはじめ、登場人物の造形が魅力的だと思った。


この大森君は、説明するまでもないと思うが、オレの演出家プロデビュー作『そらにさからふもの』を書き下ろしてくれた、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気作家だ。
ちなみにおいらも数年前、彼の書いたNHKのドラマに出してもらったことがある。
今回の大河も「出せよな」と脅しているのだが、一向にお声が掛からない。


そういえば僕らの友人、嘉島典俊くんも武田信玄の弟役でキャスティングされているみたいだ。
嘉島君は福岡国文祭閉会式の音楽劇に出演してもらったのが初めての出会い。
その時の艶やかな芸に惚れ込んでしまい、その後、サクラ大戦にも2度出てもらった。
元祖「ちびたま」として一世を風靡した大衆演劇のスターだ。

扉座の役者や嘉島君たちが、これからどんな活躍をするのかとても楽しみ。
毎日曜、要チェックだ!
ちゃんと録画の仕方を覚えなければ…。



またしても ゆっくり腰 (2007.01.27)

鍼灸院に行ってきた。

腰痛がたまらなく悪化したのだ。

特にギックリとやったわけじゃなく、気付いたら腰がやんわりと重くなっていて、少しずつ少しずつ痛みが強くなってくる。

「ゆっくり腰」というのだそうだ。

2年半前の福岡国民文化祭のときに初めて、同じような症状に見舞われた。
去年もサクラ大戦の稽古中になった。

どうも演出の仕事がハードに続くと痛めるようだ。
なさけない。
腰を押さえながら、痛ッタタッ、って言ってる自分が許せない。
こんな腰痛ごとき、気合で治してやると思っていたのだが、日に日に悪化するばかり。
こらえきれなくなって昨日、鍼を打ちに行ってきた。

その鍼灸院はスポーツ界やダンス業界では有名なところで、前から評判は聞いていたのだが、今回初めて通院した。

本当はあまり行きたくなかった。
なぜなら痛いことで有名だったから。
痛いけど早く治す、と評判の鍼灸師なのだ。

噂は本当だった。
他所の鍼より、たぶん5ミリは深く打ち込んでいるね、あれ。
しっかり神経まで針先が届いている。

しかも特に悪いところはその針でグリグリやるんだ。
深くぶっ刺して患部をグリグリと。
びっくりした。痛くて。


でも本当に名医っているんだね。
一回の治療で、信じられないくらい楽になった。
あと何度か通えば完治しそうだ。


でももう行かない。
だって痛いんだもん。




腰の調子が良くなったので、夜はホームパーティーにお呼ばれ。
エアギアボーイズと楽しい夜を過ごす。
さすがにタレント君たち。
しっかりキメ顔。オレだけ酔いどれおじさん。



マイボーイズ (2007.01.22)


昨日『エア・ギア』の大阪公演が終了し、東京に戻ってきました。
応援してくれたみなさん、ありがとうございました。


稽古中は怪我が絶えなかったけど、本番に入ってから大きな怪我がなくて本当に良かった。

インラインスケートの特訓を開始した4ヶ月前には、まさかここまでのパフォーマンスを役者達が見せてくれるとは思わなかった。
本当に頑張ったマイボーイ達。




今日は大阪から戻ったその足で、6月にやる舞台の打ち合わせ。
一年ほど前からゆるやかに企画を練ってきたけど、いよいよ具体的に着手する時期がやってきた。
ああ、また辛い日々が始まる。

明日も別件の打ち合わせ。


『儚』もそろそろ具体的な準備に入らなければならぬ。
本家扉座を超える舞台を作るぞ!オレ頑張れ!


エア・ギア 千秋楽 (2007.01.14)

これだから芝居はやめられない。

お客さんからお金を頂いた上に、盛大な拍手や感謝の言葉まで頂く。
こんなにいい商売があるだろうか。

それまでの苦労など吹き飛んでしまう。


『エア・ギア』は本日無事、東京公演の千秋楽を終えました。
無事とは言っても、出演者は満身創痍。

みんな、よくぞ戦い抜いた。

思えば今回のプロジェクトは戦いの連続だった。

普通の舞台と違って、芝居の稽古に入る前にまず、ローラーブレードを習得しなければならなかった。
俺も一緒にスケーティングを習ったけれど、大変な毎日だった。
怪我人も続出した。

それでも、スケーティングのレッスンは頑張れば成果が出るからまだ良かった。

芝居の稽古はそうは行かなかった。
芝居はスポーツではないから、正解が分かりにくい。
特に今回の出演者は舞台初心者がほとんどだったから、オレが目指すところを理解してもらうのに時間がかかった。

稽古当初はめまいがするほど酷い芝居だった。
うちの研究生より遥かに未熟な芝居だった。
演技の何たるかをまったく分かっていなかった。
初めのうちはプロデュース公演だからと遠慮がちに優しく演出していたのだが、気付けばいつしか劇団以上に厳しい稽古になっていた。

大晦日も元旦も返上で本番まで一日も休まずに稽古した。
途中、ノロで長期離脱する者、風邪で倒れる者、鼻の骨を折る者、腰を痛める者……本当に壮絶な稽古だったと思う。
でも、その位やらなければ到底作りえない舞台だったのだ。
なにしろ今まで誰もやったことのない企画なのだから。

本当にみんなよく戦い抜いた。
短期間でこれほど変わるものかと驚くほどに、顔つきも目つきも演技も変わった。
特に舞台に上がってからの変貌振りには目を見張るものがある。

一人を皆が支え、一人が皆を思う、素晴らしいチームが出来上がった。
今は誇らしい気持ちで一杯です。


嬉しいことに評判も良いようで、連日、当日券を求める長蛇の列が出来ていた。

17日からは大阪に乗り込む。
伸び盛りなヤツらは、大阪ではもっとすごいパフォーマンスを見せてくれることだろうと、楽しみにしている。



ムササビ (2007.01.13)


本番前のウォーミングアップ風景。


刻みつける (2007.01.12)


『パワースライド』というブレーキングで、舞台の床には無数の傷跡が刻み付けられている。


ケンタクンテ (2007.01.11)


どういうわけかこいつ、オレの外部演出作品のほとんどに出ている……誰よりも出ている。
今回は出る予定ではなかったので、チラシに名前が載っていないのだが、なぜかいつの間にか出ている。
そんで、楽屋で若い役者達に色々アドバイスなんぞをしているらしい。で、ありがたがられたり、うるさがられたりしているらしい。


2007 (2007.01.05)

あけましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いします。


久しぶりにのんびりとした朝を過ごしている。

昨日『エア・ギア』の稽古が終了して、今日は劇場の仕込み日なのだ。
 
『豊橋オーレ』から2ヶ月、一日も休めなかった。
今日も夕方から諸々チェックをするために劇場に入らなければならないので、完全休養ではないのだが、半日だけでもゆっくりできるのは、今のオレにはとっても嬉しいことです。

どの舞台も初日を開けるまでは大変なものだが、今回の『エア・ギア』はいつにも増して困難の連続だった。
ローラーブレードを履いての演技やダンスやアクションは予想を遥かに超えて大変なことだった。
今まで自分が積み重ねてきた演劇的経験だけでは太刀打ちできなかった。
それは振付家や殺陣師も同じで、どうしたらローラーブレードの特性を生かしたパフォーマンスを作り上げることが出来るのか日々悩み続けた。
出演者も文字通り満身創痍になりながら、戦い続けた。

結果、ちょっとすごいモノになっちゃったんじゃないの?
と、今は思っている。

こんな風に、すぐ自画自賛してしまうところがオレの数少ない長所なのだが…


初日はあさって7日。
大きな怪我がないことを心から祈るのみ。





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